嵐の夜
真夜中に、嵐の音に目が覚めた。
樹々に囲まれた 小高い場所に立つ我が家は
風の唸り声が大きく響く。
横殴りの雨が目に見えるように、窓が揺れて、目覚めた私の意識を はっきりさせてゆく。
……孤独。
普段はさほど意識しない、むしろ好んでいると思える独りの時間が、急に心細くなる。

例えば、隣に眠る誰かを揺り起こして、嵐が来たよと伝えたい。
ぐっすりと眠る横顔なら、黙ってその胸に、丸まってくるまれてみたい。
どんな風の音も、降り止まない土砂降りも、
何も心配は要らないと、そう思えるように。

嵐を知らずに 主様は眠っているのだろうか。
それとも その腕に 小さくうずくまる妻を 抱いて眠っているのだろうか。
生活感のない、長年の関係が 急にリアルに日常と重なる。
私はヒトリで、棚の隅の人形のように
ただ、「その時」を待っている。

寂しいとか 切ないとか、デジャヴのような想いが、どんどん膨らんで 私を押し潰す。
気圧の低さが、意味もなく私を追い詰める。

空が明けてゆく頃、ぼんやりとした頭の中に
急に思い出したように、主様の笑った顔が浮かぶ。
私の一人遊びを笑うみたいに、
何もかも、些細な事だと思わせてくれる。

主を失うこと以外、全ては小さな、些細なこと。
明日には、嵐も去るだろう。
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【2018/07/06 22:31】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
長雨の午後
毎年、七夕が近くなると、密かにそわそわし始める。主からの連絡を待ちわびて。
今年は、台風から土砂降り続きの うんざりするほど悪天候の朝、七夕を二日前にして、朝イチで主からのメールが届いた。

前回の逢瀬から ひと月以上も空いて、身も心もすっかり寂しくなっていた私は、何を置いても逢いたくて いろんな事を後回しにしてシャワーを浴びる。
珍しく普段着で現れた主に、存分に甘えて、ヘタレな私のままで許しを乞いながら、甘い、夢の中みたいな時間が過ぎる。

主にリラックスして頂きたくて、新しく入れた ラタンのソファー。足元に四つん這いにさせられて、秘部を弄られながら、足を舐めろと言う。
何度も体勢を崩して叱られながら、恥ずかしさで泣きそうになる。
上手くご奉仕も出来なくて、半ば呆れられながら、それでも、ご褒美をもらえるダメ奴隷に、主はやっぱり、惜しみない愛をくれる。
場所をベッドに移しても、「お前はホントにスケベだな」見つめながらそう言う 主の目をそらさずに、何度も、何度も昇りつめる。
「イクぞ」 主の言葉はつまり、この波から降りなければならないって事で
それが寂しくて、また胸にしがみつく。
この愛しさを、どこに隠しておけばいいのだろう。
主の邪魔にならないように、想い続けることの難しさ。
こうして肌に触れながら、埋まる事のない寂しさに、また蓋をする。

そして翌日
1日かけて少しずつ、流れ出て来る主の体液が、誰からも知られず 私を幸せにしてくれる。

次に逢えるのが いつであっても
きっと静かに 待ちわびていられる。
ずっと。ずーっと。
【2018/07/06 20:31】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
真実
私が安心出来るのは 主に求められている その瞬間。
主にとって、例えばそれが 性欲の捌け口でも、もしくは愛でも、その瞬間だけは、必要とされているのだと 安心出来る。
時に乱暴に扱われ、時に優しく抱きしめられ、
主が 私にしたいように扱われる事が、何より嬉しい。
近頃は なんだか妙に優しくて、実は本気で 愛されているのかも知れないと、有頂天になる事もあるけれど
それでも、手を振って別れた後に 慣れた表情で顔を出す孤独が、また 私を寂しがらせる。

ベッドの上で、私の髪を撫でながら、
主が囁いてくれるのは、「愛しているよ」ではなく 「気持ちいいぞ」
それが、一番の愛の言葉なんだと 幸せでいられる。
けれど その腕の中で、泣けて来るほど切なくて、気が遠くなるほどの快感にのまれていても
それが ふと 独りよがりじゃないのかと、急に不安が押し寄せる。

確かなものなんて、本当は1つもない。
未来の約束も、思いやりの慰めも、何一つ 私は与えてもらえない。
こんなふうに 心が駄々をこねるのは、本当に少し 幸せを感じているからなのかも知れない。
そんなはずはないと、自分に言い聞かせても、
恋はどんどん貪欲になって、心の奥を蝕んでゆく。

時々 真実が知りたくなって、けれど そんな事聞けるわけもなくて、浮かび上がる言葉を 一つ一つ 丁寧にしまう。

髪を撫でる指の優しさや 抱き寄せてくれる温もりに、どれほどの愛が 隠されているのだろう。
戯れでも、火遊びでも、私を呼んでくださる主の思いに、どれほどの愛があるのだろう。
本当の事は、きっとずっと聞けないまま。
それは主も 同じかも知れない。
私の従順さが、本当はどんなものなのか、それが愛なのか、主には自信があるのだろうか。

長年、手探りのように歩き続けて、たとえ姿が見えなくても、互いにそこに居る事を、今は信じられる。
独りになって、私の体内で その温度を保っていた主の体液が 少しずつ流れ出ても、それで全てが無くなるわけじゃないと、今は ちゃんと理解している。

いつか、真実を知りたくて 、パンドラの箱を開ける時が来ても、私はきっと後悔しないし、悲観も落胆もしないだろう。
主の真実がどうであれ、私の真実は、紛れもなく愛なのだから。
【2018/05/18 02:14】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
白昼夢
もぅ長いこと憧れている私の夢は、
まるでドラマの中の恋みたいに、主が私を抱きしめて、両手で頬を包んで 温かいキスをくれて、
愛しそうに見つめながら 何度も キスをくれる。
ベッドの中でも、きつく抱き寄せられながら、その胸に身を委ねて、波のように揺れては 主の吐息を感じる……。
そんな妄想だけで、時に湯船に溺れてしまいそうになるくらい、私の身体は熱をもち、高ぶってしまう。
それは、主に出逢ってしまった 遠い昔から、少しも変わることなく、私の憧れで、夢で、希望。
叶うはずのない、求める事すら 厚かましいと思える、私の夢。

けれど、今日の記憶を巻き戻してみると、
抱きしめてくれる主がいて、キスをくれる主がいて、その腕に抱かれながら 目を開けるとそこに、大好きな主の眼差しがある。
どうしても閉じてしまう、瞼を開けるたび、真っ直ぐに私を見下ろして、瞳を覗き込む眼差しがある。
恥ずかしくて 顔を背けて、声になる吐息を堪えて、歪んでしまう私の表情を、楽しむように 愛おしむように、見つめている主がいる。
きつく目を閉じると、わざと顔を寄せて 耳元に囁く。
「気持ちいいか? 良かったなぁ」
そう囁きながら、押し寄せて来る波は大きくなる。

それは、まるで白昼夢。
陽が落ちて、独りになって、ふと思う。
あれは 夢? 淫らな妄想?
憧れてやまない夢が、まどろんだ私に白昼夢を見せたのか。

何度も声を上げた私は、果ててゆく主にしがみ付きながら、軽く脚をつってしまった。
まだ少し痛む ふくらはぎを撫でて
妄想ではなかったと、顔が緩んでしまう。

主の気まぐれでもいい。
時にこんな風に、愛されている錯覚?に酔わされているのが たまらなく好き。
日常も、賑やかな日々の孤独も、隠し通すはずの寂しさも、全部どうでもいいと思える。そんな甘いひと時が 私の大切な 白昼夢。
醒めなければいいのに。ずっと、このまま。
【2018/04/27 03:12】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
恋心
なかなかタイミングが合わなくて、おあずけだった、主様との逢瀬。
珍しく2日ほど前から、打診があったこの日、私は可能な限りの手を尽くして、時間を確保した。

逢いたくて、逢いたくて仕方なかった主様に、ご奉仕よりも先に、キスをねだった。
早くも息の上がる私に、「お前、今日 飢えてるな」と、他人事のように笑い、下半身を 私の好きにさせてくれた。
それから少しして、どこでスイッチが入ったのか、いつもより強引に、少し乱暴に、私をいたぶりながら楽しんで、何度も登りつめそうになるたび寸止めされる私を ポーカーフェイスのままベッドに招いた。

とっくに限界を超えていて、だらしなく熱を帯びた身体で、私は幾度も、主に貫いて欲しくて、言葉にしそうで我慢した。 主が使いたくなったら、きっと 使ってくれる。どの穴で楽しむかなんて、主が決めること。そう分かっている。
なのに……。止めようのない衝動が、私に襲いかかって来る。
くるしくて、切なくて、悲鳴にも似た声が出る。
何もかも、ちゃんと分かってる主様が、耳元で小さな声で ゆっくり問う。
「どうして欲しい? 前からがいいのか?後ろからがいいか?」
無理矢理 脚を掴まれるよりも、与えられた選択肢が 残酷なほど私を濡らす。
「前から……」 本音で答えていいのかと、戸惑いながら、本音で答える(笑)。

間近で見上げた主の顔が、繋がったまま、私を見下ろす。 喘ぎまくって 顔中に張り付いた髪を、丁寧に払って、主が囁く。
「たまには、優しくしてやろうか」
前髪を、幾度も手のひらで撫で上げて、すぐ間近で、私の目を覗き込む。

とっても変な表現だけれど
私はまるで、突然のプロポーズを受けた位の衝撃で、頭の中が真っ白になった。
頭の中は 呆然としている状態で、
主は、本当に優しいキスをくれて、乳房をそっと包み込み、その先端に唇をあてた。
たぶん、温かい舌先が、乳首という名の剥き出しの性器を転がしては味わった。
気が遠くなりながら、心の奥が混乱していた。

子宮を突き上げる愛しい体温。
胸を締め付ける 痛みにも似たときめき。
これは、まるで恋だ。身を焦がすほどの、恋。
目の前にある胸に、私を全部投げ出していいのだと、そんな錯覚に襲われる。
主の想いを 期待したり、探ってみたり、切望したりする距離感ではなくて、
それはまるで、想い合って、愛し合って、狂おしく求め合っているような……。
恋の真っ只中にいる2人のような、そんな錯覚。

そんな感覚、主に打ち明けたら、おでこをピシャリと叩かれそうだけれど、私は本気で 陶酔していた。
何度も波にさらわれながら、まるで夢の中みたいに、主と愛し合える錯覚に呑まれてゆく。

こんな日が、ずっと続いたらいいのに。
抱き合える事が、当たり前になればいいのに。
この恋が、成就できる日が来たらいいのに。
そんな馬鹿な事を、心が繰り返し叫んでいる。
決して 声に出来ないのに。

錯覚じゃないのは、私の恋心。
全てを後回しにしても、それが最優先だと思える、私の恋心。
錯覚でも、妄想でも構わない。
私を抱きしめながら、息を上げてゆく主の体温が、今は何より愛おしい。
泣けて来るほど、愛おしい。
どうか この恋が、いつまでも色褪せていきませんように。
【2018/04/14 00:53】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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わがまま隷ちゃんと主の苦悩


ビギナー奴隷の隷ちゃんの、主による調教と、成長の記録。

プロフィール

隷ちゃん

Author:隷ちゃん
気がつくと、ずいぶん長い間 そばに置いて頂いている、主様。
迷う日も、時にあるけれど、守り抜いて良かったと信じられる、主様との絆。心に留めておくだけでは不確かに思えて、時々 綴っている 隷子の記録です。

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